曲芸投げ物
投げ物は曲芸の基礎となる芸です。
放下芸とも呼ばれ、道具を空中に放り再び受け取ることの連続で構成されています。
最も基本になるのが曲撥(きょくばち)。 投げ物のお稽古はここから始まります。撥はタイマツを形取っており、撥先の赤い部分は清めの神火を表しているため、この火を触らないよう、常に持ち手側を受け取ることが肝心。 手事(バリエーション)には、一本から複数本、一人から複数人で演じるものまであり、昔は四十八通りあったとも言われています。
【主な手事】
- 地採り(撥を綾に採る基本形)
- 中・外抜き
- 巴の山越し・立て山越し
- ごぼう抜き
- 大ぢらし → 横一文字
- 左右入れ違い
- ちらし採り → 小手返し
- 組み採り(向かい採り、交換採りとも)
- ※手事の種類は一門または演者により異なります。
曲撥の他、ナイフ・輪(リング)・皿・花笠などの応用があり、舞台ではより華やかな芸として演じられています。
写真協力:横井洋司氏